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國學院大學
人間開発学部

Monthly子育てエッセイ 臨時増刊号

2011年1月11日更新


「箱根駅伝に想う~つながり中で育つ~」 2011年1月

 今年の正月は、「箱根駅伝」で幕を開けました。國學院大學に赴任するまでは、私にとって箱根駅伝は、遠い存在でした。このたび、応援団の一人として、箱根路を2日間、バスや電車を乗り継ぎながら、応援して回りました。
 箱根駅伝から、今日の子育てのあり方について、貴重な示唆をもらいました。
 第一点は、「自分への自信」ということです。最終10区でコースを間違え、本学初のシード権獲得のドラマをつくった寺田君は、人間開発学部の1年生です。講義を通して学生達には「自信」、すなわち「自分を信じる」ことの重さについて語っていました。監督も認める、弱気の彼には、10区の走りで、「自分を信じる」という言葉の意味を感じてくれたことでしょう。
 今日の子どもに欠けているものは、「自分への自信」です。これが欠けているため、他者と関わることができないのです。自分の「よさ」は何か。これを認識していないため、他者に対しても、どんなことで自分はアピールすればよいか、分からないでいるのです。その結果、自分の世界に閉じこもってしまうのです。「人間関係構築力」が今日、子育ての課題とされていますが、その根底は、「自分への自信」づくりなのです。
 第二点は、「がんばることを、みんなで応援」。「みんなで」という点が肝要です。箱根駅伝では誰もが、ライバル校の大学選手に応援している自分に気付きます。
 6区では、復路スタート地点での応援予定でしたが、凍るような寒さの中、箱根湯本駅前に移動しました。予想通り、応援旗12本に対し、応援者は10人。横断幕は諦めざるを得ませんでした。周囲に呼びかけると、早稲田大学学生の御両親が、1本ずつ持ってくれました。しかも、本学の選手に対して、大声で声援を送ってくれました。
 後に走る選手ほど、応援する声が大きくなる。それが、箱根駅伝なのです。
 第三点は、仲間の持つ「チーム力」です。「襷をつなぐ」ために、チームが一丸となって力走します。一人では弱くても、チーム力が、一人一人の力を引き出してくれます。本学は初のシード権(10位内は来年も出場可能)を獲得しました。しかし、区間一ケタの順位で走った選手は3名です。
 私は「骨太の学力」を提唱しています。「学力向上」の掛け声が、ともすれば個人競争のレースとなっています。しかし、子どもたち一人一人は弱いのです。仲間(級友)に認められたい、支持されたい、先生からの信頼や期待を得たい。こうした気持ちから、彼らはつまずきから這い上がり、がんばろうとするのです。
 これら3点は、「つながりの中で、育つ」と、総括することができるでしょう。

 
2011年1月11日
人間開発学部長
新富康央しんとみやすひさ 



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