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國學院大學
人間開発学部

Monthly子育てエッセイ 定期号

2012年1月10日更新


第21回 良い子づくりの前に、『味のある子』づくりを

 今年も箱根駅伝は劇的でした。5区を走った本学部2年、寺田君の13位から9位への激走が、2年連続シード権(10位)獲得の礎となりました。しかし、彼以上にほめてあげたかったのは、先輩に数秒でも遅れることなく、たすきを渡そうとした1年生沖守君の4区の走りです。その夜、二人から電話をもらいましたが、「味のある」学生が育ってくれているという感慨でした。
 ひたむきな彼らの姿を見ていて、新年に当たって、私自身も一教師として誓いました。良い子づくりの前に、まず「味のある」子ども(学生)をつくろう、と。
 以下は、「味のある子」づくりに関する40歳代男性からのご質問です。
 「小学校4年生の息子がいます。周りの友達は中学校受験に向けて塾などに通い、勉強を始めていると聞いて焦ってしまいます。子どものためには、本人が乗り気で無くても塾などに通わせて、勉強をさせた方がよいのでしょうか?」
 それが親の無理矢理と言う事であれば、徹底的に勉強嫌いになることもあります。昔から、「馬を川に連れて行くことはできても、水を飲ますことはできない」という諺があります。
 ここでは、親の心の構えの問題、親の心がけ論が大切になります。その子育て論が、他者と一味違う「よさ」を持つ「味のある子」づくりなのです。
 高い科目得点というのも、魅力の一つです。否定できません。しかし、人の魅力は、それだけではありません。数値では比べることの出来ない態度や振る舞いに関する「よさ」は多数あります。他人や事物に対して優しい、人への助力やお手伝いを惜しまない、人を明るく楽しくするなど、「よさ」として挙げられる魅力は、多数あります。
 他人との比較を気にしないで、マイペースで子育てに励んで欲しいと願います。他の家族の子どもと比べて、焦って塾通いするのではなく、わが子にとってどうすることが、味のある子どもにするか、と考えて結論を出して欲しいと願います。
 もう一つ、嬉しい話です。学生の教育実習校先に挨拶に行った際、本学部が目指す3つの指導理念(1.「損在」を「尊在」に高める指導、2.「(心の)手当て」のできる指導、3.「頑張ることを応援する」指導)について説明しました。その時、担任の先生が、「なるほど」と、うなずきながら言って下さいました。
 「教育実習生は普通、授業の指導案作成だけで精一杯なはずなのに、お宅の実習生さんは、その教えがあるから、問題を抱えている「気になる子」にもかかわり、お世話をよくしてくれているのですね」
 子どもの心に寄り添い「手を当てることのできる」教師。このような一味違う「味のある」教師に成長して欲しいと願いました。

2012年1月10日

人間開発学部長
新富康央しんとみやすひさ 


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